ま え が き

しぼり は 絞り と書きます。「いとへん に、まじわる」 ですね。
では、糸を交えて、どうするのでしょうか?
生地に、糸を交えると? 交えた糸に隠れた部分の生地は「染まらない」。
絞り染めとはそんな「染めない部分を美しく」表現する技術です。
いかに糸を交えるか?(しぼるか?)だけで、万葉の昔からのこの素朴で
魅力的な技法は連綿と、今日まで受け継がれてきました。

このコーナーでは、
何十種もある絞り技法の内、代表的なものをいくつかお見せしながら、
絞り染め製品の出来るまでの工程を、簡単にご紹介したいと思います。
(
リンクのある青い文字をクリックすれば、工程説明のある写真ページに変わります)

そのすべては、この左でひっそりと咲いている小さな青い花、
「つゆくさ」の汁(あおばな と呼びます)で描く下絵から始まります……。


ここの写真は、ほとんどが絞り呉服の制作過程ですが、
近年のスカーフや洋服も
これとまったく同じいくつもの工程を経て、
初めて皆様にご覧頂ける製品となります。
決して一人、一社では生まれない、何人もの熟練の手にかかって生まれる
絞り染めならではの「手間」(てま=てとてのあいだ)の暖かさに
思いを馳せて頂ければさいわいでございます。

1, 構想・企画 -片山文三郎商店-
どんな感じの製品を作るか? 最初に一生懸命考えます。
古典的か? 現代的なシンプルさが必要か? 色は? 価格は?
構想・企画 原寸 図案作成
2, 準備段階 -下絵師-
柿渋を塗った厚い型紙に、図案の通り絞り粒の穴を開けます。
型彫り(かたほり) 下絵刷り(したえずり)
3, 絞り 
生地に描かれたあおばなの上に、それぞれの柄に合わせた絞りが
施されて行きます。職人技の極みを是非ご覧下さい。
本疋田絞り(ほんびったしぼり) 帽子絞り(ぼうししぼり)
桶絞り(おけしぼり) 絞り臈纈(しぼりろうけつ)
突き出し絞り(つきだししぼり)
色々な絞り染め<完成写真のみ>
4, 染め -染め工場-
「絞り」(染めない部分)の用意が出来ました。
考案者の望み通りの色に染めるには、長年のカンがものを言うようです。
浸染(しんせん)
5, 絞り解き(しぼり ほどき) -片山文三郎商店-
せっかく絞った絞りの糸を丁寧に、豪快に、ほどいて行きます。
ちょっともったいないようですが、
これまでの長い工程の結果が、すべて顕れるもっとも楽しみな一瞬です。
  
6, 湯伸し(ゆのし) -湯伸し屋-
ぎゅっと縮んだままの絞り部分を適切な巾に、蒸気で伸ばしてゆきます。
 
7, 仮絵羽(かりえば) -片山文三郎商店-
ばらばらの生地を着物の形に仮仕立てして、いよいよ、お客様の前に!
 
8, 完成
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